僕の原点はなにかと聞かれれば、
生まれ育った故郷の自然を思い起こすに違いない。
僕がまだ3つか4つの時から、山好きの祖母に連れられて
よく近所の裏山に登ったものだ。
昨日、時間が出来たので、その山に登ってきた。
場所は宮城県仙台市の郊外。
実家の仕事関係で、たまたま出張に来ていた。
低気圧が通過中でえらい吹雪だったが、
僕は100回以上の登頂経験がある。
山頂付近の急傾斜は、クライマーの冬山登山訓練にも
使われているため、今日のような悪天候は
面白い登坂訓練になるだろうと想定し、
いつものように単独でアタックした。
稜線に向かうに連れ、風速は高まり、
ついに稜線に出たときには、備え付けのザイルに
しがみついてないと吹き飛ばされるほどだった。
積雪はそれほどでもなかったが、
アイゼンを持ってきてなかったので、
凍り付いたスラブには苦戦した。
それでも腕だけで登らないといけない
箇所はわずかなので、楽な山だ。
逆に下山には慎重に慎重を重ねた。
貴船神社のある山腹から下は県が所有する造林地だ。
150年生以上ある杉の古い森を通り過ぎると、
今度は赤松の天然林と、若い森の境界を縫ぬように
コースがつくられている。
元々このあたりでは林業がこの地を支える
産業だったらしいが、だんだん下火になり、
今では、辺りからチェーンソーの音すら聞こえてこない。
つい25年ほど前までは、馬をつかって、丸太を
運び出す姿も見受けられたという話だ。
熊やオオカミも生息していたらしい。
ツキノワグマの退治に、幼稚園の園長先生が
出かけて行ったのを覚えている。
あのかっこいい背中に、ぼくは憧れていたっけ。
山を守る人達が、山を去らなければならないのは
非常に理不尽である。
山村の将来を考えると、正直、焦る。
だからこそ、ぼくも頑張らないとな。
子供たちのために。
さて、ほどなく行くと分岐点に出た。
市で運営している自然観察センターへ行く道と、
町に出れる道に分かれている。
日が陰りつつあったので、観察センターはあきらめて
町へと下りた。
道中、西日に映える木々が美しかったので
写真を何枚かカメラに収めた。
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