10.13.2007

森のお仕事

一日が終わりを告げようとしている夕暮れ。
造材現場に差し込む夕日を背に、
トドマツの葉っぱをダンプに満載にすれば
家に帰れる。今日の仕事はおしまいだ。

チェーンソーのエンジンを止めれば聴こえる、
川のせせらぎ、クマゲラのドラミング、
白樺の葉が揺れる音、軋むミズナラの幹。
そんな贅沢をも味合わせてくれる
森で働く時間はとても貴重だ。
過酷な労働で汗と泥だらけになったとしても、
この多様な生態系のエネルギーを目の前にすれば
感謝せずにはいられない。

闇と共に現れた川霧がゆっくりと森へ
進入してくると、急に気温も下がってくる。
林道を引き返していくと、エゾシカの親子が
遠くからこちらを警戒して見つめていた。

いつかこの森がもっと豊になる日がきてほしい。
いつか子供たちを連れて来て、この森を見せたとき、
自信をもって語り伝えられる森をつくってゆきたい。

ゴア前米副大統領とIPCCがノーベル平和賞を受賞した。
温暖化の脅威に対する活動が、名誉ある功績として
認められたことは、とにかく喜ばしいことだ。
日本の森林再生にも拍車がかかることを願う。

日本の温室効果ガス削減量は2012年までに
1990年に比べて-6%、そのうち森林機能に割当て
られた削減量は3.9%。現在日本は1990年に比べて
+8%増えていると言われている。

およそ三分の二が森林の役目である。
何とか日本の森を元気にしなければならない。

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